システム思考(2)〜ループ図(その1)

業務フロー

物事のつながりを「見える化」するための手法として、
「システム思考」という分野における
道具の一つである「ループ図」を紹介する。

やることは単純で、
項目を矢印で繋げて、
物事の全体像を見通す一枚の「絵」を作るのだ。

例えば、「顧客満足」という項目と、
「従業員の負荷」という項目があったとしよう。
顧客満足度を上げようと思ったら、
従業員に勉強や残業を強いてしまい負荷があがるとする。
#あくまで「仮に」だ。他にも方法はいっぱいあるだろうが。

この場合は二つの項目を赤い矢印(プラス記号)で結ぶ。

逆に動く項目もある。
顧客満足度が上がれば、
クレーム数は一般的に下がるだろう。
この場合は二つの項目は青い矢印(マイナス記号)でつながる。

これが基本の考え方だ。それではループ図を作ってみよう。

顧客満足度を上げようとして、従業員の負荷まで上げてしまう。

図で見たように、
経営者が顧客満足度を高めようとするあまり、
営業時間を延長したりマンパワーに依存する
サービスを開始したりすれば、
従業員の負荷は上がっていくだろう。

従業員の負荷があがれば、
おそらく退職者は増加する。
いまは売り手市場なので、転職先には困らないだろう。

退職者の増加は何をもたらすか?

従業員が居着かない職場では、
スキルが蓄積していかない。
退職者が「増え」れば、従業員のスキルは「下がる」。
従業員のスキルが下がれば、
顧客満足度も「下がる」だろう。

こうやって、物事がどうつながっていくか、
図に落としていくのが「ループ図」だ。(つづく)

関連記事

  1. 無用の用

  2. 可逆的なら試してみればいい

  3. 疑問を解決する、壊す

    なぜうまくいっていないか

  4. 上階ほど値段が高くなるのは

  5. 投資対効果を検討し、いったん忘れる

  6. それが日常になれば、そのおかしさに無自覚になる

最近の記事

  1. 2024.04.26

    世間の評価
  2. バックアップ、プランB

    2024.04.23

    雨が降っても
  3. 2024.04.15

    メンテナンス

読書記録(ブクログ)