試験会場にいた人の数によって、
試験の成績が影響を受ける可能性があるようだ。
スティーブン・ガルシアとアビシャロム・トーの研究によれば、
米国の大学進学適性試験(SAT)の点数について、会場の受験者数が
多かった地域と少なかった地域を検討した結果、他の要因を考慮したとしても
受験者数が少なかった地域のほうが点数が高かった。
(インタフェースデザインの心理学 164pより)
なぜそのようになるのか?ガルシアは、
ライバルが少なければ勝てる可能性が
高まると皆がそう思い、頑張るからではないかと
いう仮説を立て、「N効果」(NはナンバーのN)と名付けた。
他の実験でもN効果は確かめられている。
面白いのは、大部屋で一斉に競争をさせるケースでも、
それぞれ個室に入って「競争相手は**人」と告げるケースでも
N効果が発生することだ。
競争があることは望ましい、競争によりやる気も出る。
しかし、あまりに競争相手が多ければ、人はやる気を無くしてしまうのかもしれない。
ビジネスにN効果を活かす
ビジネスをする上で、競合が居ない領域というのはあり得ない。
もしそう思うのだとすれば、競合の存在が見えていないか、
誰もその領域に参入しないほど儲からない業界かのどちらかだ。
なるべく競合が少ない領域でビジネスをすれば、
N効果の恩恵を受けられるだろう。