点が線に、そこから面に、立体に

点と点がつながり、線になる。
“Connecting the dots.”は、スティーブ・ジョブズのスピーチでも使われたフレーズ。

関係がないと思っていた項目がつながり、線になる。
ただ、線になれば終わりではない。その先がある。

さらに少し離れた場所に点を打つ、それが既存の線と繋がれば「面」になる。
X軸、Y軸の2次元だ。

面において実績を積み重ねれば、それは「立体」となるだろう。
Z軸を加え、3次元となる。

ここに到れば、少なくともその立体の内部では競争力を得られるだろう。

まずは点を打つ

よく言われることだが、「何でもできます」と主張する人に仕事が来ることはない。
これはいわば、点をやたらめったら打っているだけだからだ。

まずは点をつくる。一点突破する。その後、近くにもうひとつの点をつくる。
遠すぎれば、線を引くことは難しい。
線ができれば、さらに別のところに点をうち、面に、時間軸で実績を積み重ね、立体を作る。

Z軸からのアプローチもある。点に集中したまま上方向に伸ばす。すると線ができる。
その後、近くに点をうち、面を構成する、そして別の場所に点をうち、立体を作る。

(株)フロウシンクのケース

抽象的な話が続いたので、具体例を挙げてみる。
当社のケースだ。

私は独立直後、「ITに詳しい中小企業診断士」として自分を売り込んでいた。
出身がIT業界だったし、それなりに業界に詳しいという自負もあった。
メニューとしては、経営戦略の策定やIT導入支援を用意した。

残念ながら仕事はそれほど来なかった。
IT出身の中小企業診断士はたくさん居るし、
(診断士ではない)ITコンサルとの差別化もできていない。
(診断士ではない)戦略コンサルとの差別化も同様だ。

自分が一発目に打とうとしていた「点」は、輪郭が曖昧だったし、
たくさんの人がそこに既に点を打っていた。

あるとき、知人の依頼でものづくり補助金の申請支援を行うこととなった。
幸いにも良い結果となり、補助金の申請支援という新たな「点」が加わった。
いまでは猫も杓子も、の感があるが、当時その「点」には、それほど人は居なかった。

評判が評判を呼び、点はZ軸方向に伸びて言った。つまり、線ができた。
ものづくり補助金以外の申請も手伝ってよと言われ、新たな点をたくさん打った。
それらの受注も増え、面ができてきた。

ほどなくして、支援の実績を買われたのか、補助金支援でいろいろな企業・団体の信用を得られたせいか、
ITコンサルとしての仕事に繋がるようにもなった。ITと関係ない、事業の相談も受けている。
面が立体になった。
福岡県のIoT事業に参画するなど、この分野でもある程度の地位を築くことができた。

無駄になった「点」もある

全てが順風満帆だったわけではない。民事信託や事業承継など、一時取り組んでいたものの自分の価値が出せず、無駄に終わった「点」もある。
ただこれは仕方がない。未来は誰にもわからないので、一定の「失敗」を覚悟してたくさんの手を打っていくしかない。

まずは一点突破

点をたくさん打ち、うまくいきそうな点が見つかればそれに集中する。その点をベースに線・面・立体をつくる。

最初から何でもはできない。
でも、一点突破から広げていけば、いずれは何でもできるようになる。

初期段階で、敢えて絞れるかどうか。
「絞ってしまうと仕事が少なくなるのでは」という恐怖に打ち勝てるかどうか。
(実際は絞った方が仕事が増えることは多いのだが)

そこがポイントかなと、自分の過去を振り返ってそう思う。

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