フレームワークを組み合わせる

経営コンサルタント(中小企業診断士)の仕事は、経営者の思考を整理することだ。
整理のために、SWOT分析やら3Cといった、いわゆる「フレームワーク」を活用する。

フレームワークの意義

現実は複雑であり、そのまま捉えると情報量が膨大すぎて処理できない。
そこで何らかの枠組み(フレームワーク)を用い、現実をフレームワークに当てはめる。
これにより、他者間(経営者と従業員、コンサルタント)での情報共有や同業他社との比較が可能になる。

フレームワークのデメリット

複雑な現実をフレームワークに当てはめる・・というのは、事象を単純化・抽象化して捉えることに他ならない。
当然、フレームワークを使ったがゆえにに失われる細かい情報が出てくる。
これは仕方がないのだが、フレームワークから漏れるその細かい部分にこそ、その企業の重要な経営資源が存在するかもしれない。
フレームワークの安易な使用による落とし穴にも気をつけなければならない。

フレームワークは不磨の大典ではない

フレームワークとは、前述のように「複雑な現実世界をある程度単純化・抽象化して捉えるための枠組み」である。
単なる道具であり、フレームワークの項目や形状、各要素のつながりといったルールに教条的に縛られなくてもよい。
フレームワークは変更の許されない「不磨の大典」ではない。
現実を無理矢理フレームワークに押し込む必要はないのだ。

少し内容をいじる、例えば項目を追加することでより現実を的確に捉えることができるのなら、率先してそうすべきである。
また、複数のフレームワークを組み合わせて活用するという手法もアリだ。

下記は、筆者がよく使う「SWOT+ヒト・モノ・カネ・情報・デザイン+PEST」の組み合わせフレームワークだ。
「強み・弱み・機会・脅威」と言われてもピンとこない経営者のために、SWOT分析をベースに他のフレームワークを「補助線」として活用している。

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企業の置かれた状況により、適切なフレームワークは異なる。
膨大な知識ベースから最適なフレームワークを選び、正しく活用する。必要であればカスタマイズして提供する。
それが経営コンサルタント(中小企業診断士)の役割だ。

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