前回の続き。
顧客(誰の役にたつのか?)
まずはビジネスモデルキャンバスの一番右側の枠「顧客」から見ていこう。
あなたのビジネスにお金を払ってくれる人は誰だろうか?もちろん、顧客だ。
ここには、あなたのビジネスが対象としている顧客の特徴や属性が入る。
顧客が求めるものは大きく二つ。
ゼロまたはプラスを更にプラスにするものか、
マイナスをゼロまたはプラスにするものだ。
前者は「状況をよりよくするもの」、
後者は「悪い状況を改善するもの」と言える。
顧客は一種類だけではないかもしれない。
その場合は、何らかの基準でグループ化(セグメント化)し、その特徴がよく見えるようにする。
グループ化の基準として以下の項目が挙げられる。
- 異なる提案が必要(SNSのように、無料サービスを受ける側と広告を出したい側が居る場合)
- 異なる流通チャネルが必要(ネットと店舗、地域で異なるなど)
- 関係構築の方法が異なる(ネットと店舗)
- 収益性が異なる(無料サービスと有料プランなど)
- お金を支払う部分が異なる(ある顧客は寄付という形で、他の顧客は物品の購入という形で、など
顧客はなるべく絞る
コンサルティングの現場で、社長に「顧客は誰ですか?」と聞くと、
よく返ってくる言葉は「うちの商品・サービスを買ってくれる人は全員顧客だ」というものだ。
これはある意味正しい。商品を買いたいと言う人を断る理由はないからだ。
しかし、競合との戦い、という視点で見るとこの「全員を顧客と見なす」方法は悪手と言える。
全方位に戦いをしかけていては、資本力のある大手企業にはとても敵わない。
顧客を絞り込み、彼らにフィットした価値提案(次回説明する)を行わなければ、
「この商品・サービスは他でも買えるよね」となってしまうだけだ。
絞り込めば、広告宣伝費などの経費も少なくて済む。
絞り込めば、尖った商品・サービスを作ることができる。
このあたりは、ブルーオーシャン戦略における「戦略マップ」のフレームワークが有用だ。
戦略マップについてはべつの機会に説明する。
顧客にどんな価値を提供するのか?
では、絞り込んだ顧客に、どんな価値を提供するのか?
何を売るのか?ではないところに注意。売れるのは、価値を顧客が認めてくれたその結果でしかない。
次回説明する「提供価値」の要素で、その点について考えていこう。(つづく)