リスクをゼロにするなら

世界はリスクに満ちている。

街を歩けば交通事故に遭うかもしれない、
暴漢に襲われるかもしれない。
謎の感染症を誰か知らない人からうつされるかもしれない。
食中毒も怖い。
運動不足で体が弱るのも怖い。
子供が引きこもりになったらどうしよう?
配偶者がうつ病になったら?失業したら?
長期ローンで買ったマンションの隣の部屋に狂人が引っ越してきたら?

これらのリスクをゼロにしたければ、外には出られず、部屋の中で一生を過ごすことになるだろう。
結婚もできない、子供も作らない。家などの資産も買わない(多分自転車すら買えない)。
体力が落ちるのも怖いので、家で筋トレと有酸素運動は欠かさない。
食中毒のリスクを極限まで避けるなら、ゼリー状の飲料だけを飲み続けるとかになる。

そんな人間はいないか、いてもごく僅かだろう。
人はこれらのリスクを無視するか、あるいは確率の低さを考慮して、日々の生活を送っている。

ただ、ここ数年は社会全体でこのリスク判断のバランスがおかしくなっているように思える。
命は大事なのだけれど、大事にしすぎるあまりさまざまな制約を課し不本意な人生を送ったとしたら、長生きした意味はなんなのだろうかと思ってしまう。
我々は、少なくとも私は、死なないために生きているわけではない。

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