車の運転のうまさについてアンケートをとると、半数以上の人が「自分は平均より運転がうまい」と回答するそうだ。
どんな分野においても人は自分の能力を過信する。
まあ、そう思わないとやってられないという面もあるだろう。
本当は平均以下の能力しかなくても、「自分はうまくやれる」と思ってそう行動するのであれば、うまく行かない現実との乖離に悩んでしまいそうだ。
同業者でもそういった陥穽にハマっていそうな人をみる。
うまく行かない、少なくとも自分が思うようにはうまく行かない現実を、他人の、業界の、社会のせいにして文句をいう。
自分のやり方は変えない。自分は正しい。なのにうまく行かない。
だったら、周囲が悪いのだ。それしかない。
うまくやってそうな人の陰口を言う。あいつは不正をしている、あいつはずるい、あいつは単に運が良かっただけだ・・・・
言わないけれど、「俺の方がすごいのに、なぜ」という思いが隠れている。
そして、いくら現実に文句を言っても、現実は応えてくれない。何も変わらない。
なのでさらに文句を言う。負のスパイラル。
自分はいつも、こんな、精神の牢獄に囚われているような、出口のない状況に陥ることを恐れている。それはきっと惨めで、救いもない。
もちろん、どんなにやったってうまく行かないことはある。それは仕方がない。
自分を「平均より上」だとは思わない。平均より下だけど、努力により、運に助けられ、なんとかうまくやりたい。そう思っている。