「彼はずっと人格者だった、そして、これからも?」一貫性バイアス

間違った道、方向

人間の行動には一貫性があると思いがちな傾向のことを一貫性バイアスという。

人の行動は、そのときどきの状況によりころころ変わるものだ。
新たな情報を得れば意見を変えざるを得ないし、上司と部下によって対応を変える人はどんな会社でもいる。
また、かつては札付きの不良だった人がある事件を境に心を入れ替え、善人に生まれ変わったなんて話しもざらにある。

一貫性バイアスは、「この人は現在すばらしい活動をしているのだから、過去もずっとすばらしかったのだろう」と推測してしまう。
つまり、現在の印象に影響され、過去の検証を怠ってしまうのだ。
逆に、過去のエピソード(ボランティア活動に積極的だったとか)に影響され、現在もきっと良い人なのだろうと考えるのも一貫性バイアスの影響だ。

これは逆に考えると恐ろしい。なぜなら論理的には「かつて悪いことをしていたのだから、いまは良い人に見えるけど内心は悪魔のように違いない」というような判断にも繋がるからだ。

いつでも、どこでも、誰にでも善なる人間は居ない。
同じ様に、いつでも、どこでも、誰にでも悪である人間も居ない。

一貫性バイアスに惑わされず、状況に合わせて判断する必要がある。

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