恐れを笑いに

英国の思想家エドマンド・パークはこういった。

「恐怖という感情ほど、精神からすべての行動力と思考力をみごとに奪い去るものはない」

タイトルは裏腹に中年のおっさんが活躍する小説「幼女戦記」の13巻にはこんなセリフがある。

人間を最も蝕むのは?不安である。
不安は恐ろしい。恐ろしいがゆえに、思考が制約され、自己肯定感の喪失を引き起こし、究極的には自己嫌悪の渦に陥る。

恐れていると、正常な判断ができなくなる。そして失敗する。
ありもしない現象や感情に恐怖し、道を誤ってしまった社長をたくさん知っている。
調べれば、当人に聞けば、それが幻想や妄想の類だとわかったのに、その簡単な作業を怠ったばかりに、大きなものを失った人たちを。
自分だって、恐怖に負けていつその列に並ぶかしれない。

おそらく、恐怖を消し去ることは不可能だ。
だから、恐怖を受け止めて、その正確な「かたち」を把握し、恐れすぎないように、相対化した上で皮肉な笑いにする。

恐怖や不安につぶれてしまうのではなく、逆境を冗談めかして語る態度だけは維持しておきたい。

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