「ベストを尽くす」のではなく、「競争相手よりうまくやる」を目標に

ベストを尽くす、というのは良い言葉だけれど、
際限のない努力が要求されるという一面もある。

ベストを尽くしたかどうかを自分で判断すれば、
自己に厳しい人はいつまでも満足することがないし、
自己に甘い人はいつまでも何も達成できないだろう。

では、他人に判断を委ねる?
あなた以外の人間に、あなたがベストを尽くしたかどうかがわかるわけがないでしょう?

競争相手よりうまくやる

経済学者ロバート・フランクによれば、
漠然と「ベストを尽くす」という行為は苦しさを生むだけだという。
なぜなら、いつになれば「十分にやった」と結論づけられるかがわからないからだ。
彼は代案として、「身近な競争相手よりはうまくやれ」というスローガンを挙げる。
この相対的なルールこそが、様々な問題を効果的に解決するそうだ。

(リチャード・H・スミス「シャーデンフロイデ 人の不幸を喜ぶ私たちの闇」より抜粋)

ビジネスも同様で、完璧を求めることは美しいのだが、商売としてはおそらく失敗する。
時間が足りない、見合った価格がつけられない、何よりもそんな会社の方針に社員がついてこない。

こういうと、アップルはどうなのだ、という反論が来るかもしれない。
アップルはいま、十分な資金があるからそれができるだけだ。
昔、資金がなく来月にも潰れると噂されたころのアップルは、
完璧とはほど遠い製品(パフォーマやOS8コープランド、サイバードッグ)を作っていた。
 そもそも、iPhone X系の上部にあるノッチは「完璧」だろうか。

話がそれて、かつマニアックになってしまった。

ベストを尽くそうとすると何もできない。
「競争相手よりうまくやる」、たいていのことはそれで十分だ。

関連記事

  1. 変えられるもの、変えられないもの

  2. ズームイン、ズームアウト

  3. 生存バイアスを意識した「成功へのアドバイス」

  4. 業務フロー

    答えが見つからないのなら、問いが間違っている可能性がある

  5. 見える化〜ゲーミフィケーション③

  6. 問題への対処法(3)問題の分類と解決手法(1)

最近の記事

  1. 2024.11.28

    気になる
  2. 本棚

読書記録(ブクログ)