アンカーポイントの「打ち方」

人間は、最初に目にした数字を「基準点」にしてしまう癖がある。
それがどんな数字でも、だ。

ある店で缶入りスープの特売広告を出したところ、平均購入数は3個だった。
ところが、「スープ特売、ただしおひとりさま10個まで」という広告を掲示しただけで、平均購入件数は7個になったそうだ。
(「ファスト&スロー」/D・カーネマン著より)

これは、10個までという数字が基準点となり、本来不必要な個数をついつい購入してしまったのだと考えられる。

価格は高いものから表示

この基準点となる数字を「アンカーポイント」と言うそうだ。

このことは、最初に出す見積金額の重要性を意味する。
それが基準点になって、「どこまで値引きできたのか」という話になるのだから。

最初に出した数字が基準点になるのなら、数字を出す順番にも意味が出てくる。
サービスや商品については、値段の高い方から表示した方がよい。
それが基準点となることで、購入価格が高くなる傾向にあることが心理学の実験で確かめられている。

価格表の順番を高い順にするだけで売上が増えるなら、こんなに費用対効果の高い取組みはそうないだろう。

単位は関係ない

面白いのは、基準点となるのは価格と関係のない数字でも構わないということだ。
たとえば100万円の見積を提示する前に、「この商品は過去の累計で1,000万個販売しています」とひと言添えるだけで、1,000万という数字が基準点となり、100万円の見積が相対的に安く感じてしまう。
単位が違っても、数字に影響を受けるのは変わらない。

これもまた、簡単にできて費用対効果の高い「テクニック」と言えるだろう。

心理学や行動経済学の本は、ビジネスに直接役に立つ「活きた学問」であり、勉強しておいて損はない。

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