情報のリレーで「思いつき」が「真実」に変わっていく

疑り深い性格で、人から何かの情報を聞いても、「本当にそうだろうか」と疑問を持ってしまう。

その人が信頼できる人でもそうだ。彼を信頼しているのはある分野においての能力(仕事にせよ趣味にせよ、人徳にせよ)を認めているからであるが、だからといって彼があらゆる分野において正確な情報を提供できるとは思えない。自分が詳しくない分野においてはTwitterでたまたま読んだ話を吹聴しているだけかもしれない。
#芸能人や文化人が専門外の分野でいかに愚かな発言をするか?事例はいくらでも提出できるだろう。

証拠はあるのかい

自分の専門分野である補助金支援についてもそうだ。噂やデマの宝庫だ。
例えば設備投資関連の補助金においていわく、
「***の業界は受かりにくい」「**という機械はだめだ」「コンサルが支援していると落ちる」
などなど。

よくよく調べてみると、その年だけたまたまそう見えただけで、翌年はその業界や機械がバンバン受かってたり、
コンサルが支援している会社が一番採択数が多かったり(国から出ている資料で確認できる)、反論するための証拠は簡単に見つかる。

噂の出所である人は、自分の少ない体験から雑に法則を導きだし、「憶測」として話したのだろう。
しかしその情報が人から人へと渡っていくにつれていつのまにかそれは「憶測」ではなく「事実」に変質してしまう。

情報の出所と鮮度の確認、セカンドオピニオン

誰かの憶測でしかないものを信じて行動すれば、悲惨な結果が待っている。
いくら信用できる人から聞いた話でも、その情報の出所を確認する行為は欠かせない。
#忘れてはいけない。その人が信用できるのは「ある分野」においてだけだということを。
#素晴らしい実績をあげたスポーツ選手や経営者だからといって、あらゆる分野に精通しているわけでないし、人格者だというわけでもない。

また、「鮮度」も重要になる。旧い情報を最新のものだと誤解し、そのまま伝えられている可能性もある。
たとえば、2020年2月から制度が変わっているのに、1月以前の情報を伝えられても無価値どころか害でしかない。

とはいえ、情報の出所まで辿るのは不可能だ。せいぜい一人か二人くらいまで遡るのが限界だろう。
なので、別の情報源を探す。いわゆるセカンドオピニオン。できれば、反対の意見を述べている人がいい。

その話は論理的におかしくないだろうか?自分で考えることも有効だ。
たとえば政府の陰謀だと考えるよりももっとシンプルな、当事者の勘違いで説明できないか?もし説明できるなら、わざわざ政府の陰謀などという大仰な話を持ち出す必要はない。
先の補助金の話で言えば、特定の業種や機械を補助金の対象から外すといった面倒な行為をお役人がわざわざやるか、しかも国民に公表せずに?あとで問題になったどうする?と考えれば、自ずとそんなことはあり得ないと気づくはずだ。

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