事実は小説よりも奇なり、という。
現実の恐ろしいところは「伏線がない」ということだ。
小説のように後から「ああ、あれがヒントだったのか」と合点がいくようなケースはほぼないか、あっても単なる誤解であることが多い。
いきなり仕事がなくなるし、健康だった人が突然病気になる。歩道をゆっくり歩いていても交通事故に遭う。
これが小説なら、ドラマなら、仕事がなくなる前には取引先から気になる発言をもらってたり、病気になる前に咳き込むなどそれらしい症状があったり、交通事故に遭う前に「おれ、今回の仕事が終わったら許嫁と結婚するんだ」と聞かれてもないのに言い出したり・・・といった伏線が用意されている。
現実の世界ではそんな伏線はない、全ては唐突にやってくる。金持ちにも貧乏人にも、善人にも悪人にも。
大逆転もあり得るし、なんら自分に責がないにもかかわらず転落してしまうこともある。
それが面白いと思えばチャレンジングな人生をおくれるのだろう。
怖いと思えば、何もせずじっとすることを選ぶのだろう。