仕事は「流れ」であり、この作業をしたら次は別の作業、
というように作業の「かたまり」を流していく一連のプロセスである。
ここからは別の部署、ここからは社外、というように、
自分が所属する部署ではないところとのやりとりも発生する。
例えば下図のような仕事があるとする。
受注は月に平均で100件程度ある。
昨年までは月50件程度だったのだが、
急な流行により需要が爆発的に増大したようだ。
図にしてみると問題が工程Bの処理能力にあることは明確だ。
ここでの解決策は、一旦受注を制限して、
その間に工程Bの処理能力をアップ、その後受注を再開する、といったものだろう。
ところが、ここで「工程Bの人たちは忙しい、これ以上働かせるのはかわいそうだ、
退職者が続出して部署が崩壊するぞ!」といった感情論や、
「工程Bの能力をあげることはできない」と改善に非協力的な意見が出てくると状況が変わる。
このままでは、工程Bがどうにもならないのであれば、
工程Bに合わせて工程AやCの人員を休業させよう、
流行が落ち着くまで受注制限を続けよう、
流行が継続したら?永遠に受注制限をすればいいじゃないか・・
といった後ろ向きの意見が通ってしまう。
本来企業は利益の最大化が目的であり、外注先を活用しても設備投資をしても、
他工程から人を融通しても、なんとしても工程Bの能力を上げる方法を考えなければいけないはずだが、
それが「工程Bに最大限配慮する」という、企業の目的を見失った結論になってしまう。