街でみつけた、オフィス家具のショールーム。ショーウィンドウにはこう書かれていた。
「オフィスに引力を」
オフィスに行くことが当たり前ではなくなった時代に、それでも従業員に出勤してもらうためには、「引力」のあるオフィスを作らなければならないのだろう。
自宅よりも仕事が捗ると思えるような事務所。早起きしても、着替えても、化粧をしても、満員電車に揺られても、それでも行く価値のある場所。
このブログにもときおり書いているが、ITオタクである私も、完全テレワークで企業が機能するとは思えない。
テレワークを実現するためにのテクノロジーは以前からあった。もしテレワークが合理的な選択肢なのだとしたら、コロナ関係なくもっと普及していたはずではないだろうか。年輩のオッサン(この言葉は好きではない。ステレオタイプもいいところだ)が邪魔していたから?では、なぜオッサンが居ないITベンチャーは渋谷などの一等地に事務所を置いていたのだろうか。
いま誰かに「でも、御社の仕事はテレワークでも完結できるでしょう」と聞かれたら、首肯せざるを得ない。
ノートPCは全員に配布している、システムは全てクラウドサービスだ。IP電話もある。電子契約も導入しハンコは要らない。FAXはPDF化されてメールで届く。
なんなら事務所を引き払ってもいいくらいだ(家賃がどれだけ浮くことか!)。
でも、私がそうすることはない。今後感染症が猛威を振るい、外出禁止令が出て完全テレワークが政府から強制されたとしても、事務所を引き払うことはないし、強制が解除されればまた出勤をしてもらうことになるだろう。
「人が集まって何かを達成する」という有史以来の人間の性質がわずか1年で不要になるほど人類が急激に進化したとはとても思えない。
一部の「すごい奴ら」ならそれができるかもしれない。でも、そいつらだって集まった方が、もっといい仕事ができるのではないか?
2020年の3月から、ずっと何かひっかかっているけれど、まだ完全には言語化できていない。