レッドオーシャンという言い訳

成熟したマーケットなど存在しない。
くたびれたマーケティング担当者がいるだけだ。
ーなぜリーダーは「失敗」を認められないのか/リチャード・S・テドロー著

「うちの業界はレッドオーシャンで・・」と社長がぼやく。
レッドオーシャンとは、血で血を洗うような、成熟した、競争の激しい市場のことを指す。

反対語にブルーオーシャンがある。差別化でき、競争のない市場だ。
経営学者は、企業はブルーオーシャンを目指すべきだと言う。確かにその通り。

では、成熟した市場(マーケット)というのは本当に存在するのだろうか?
冒頭の引用は言い得て妙で、どんなに成熟したように見える市場にも、
新しいやり方を持ち込んだ成長する企業が存在している。

理容業界におけるQBハウス、小売市場におけるGMS、後にカテゴリキラー。
IT業界におけるクラウドベンダ。

彼らは新市場を「創造」したのか?厳密には違う。

QBハウスに髪を切りに来るのは、これまで一度も髪を切ったことのない人ではなく、
従来は別の理容室で髪を切っていた人達だ。

彼らは既存の市場を区分けし切り出し、そこに自分の「居場所」を築いたのだ。

あなたがレッドオーシャンに居るとしたら、
生け簀なり波止場なり埋め立てなりで自分の居場所を作ろう。
どこかに、誰も知らないブルーオーシャンが手つかずで放置されている、そんなことはおそらく無い。

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