注文をもらう

仏教関連の名著を多数執筆している中村元氏の言葉。

自分はさまざまな注文をもらった。そしてその注文に基づいていろいろなことを調べたりしているうちにここまできた。

中村元

こんなものだと思う。独立当初、自分は現在のような状況は全く想定していなかった。

協調性がない性格なのは分かっていたので、ずっと一人でやろうと思っていたし、
自分と家族(当時はいなかったけれど)を食べさせるだけ仕事して、あとは読書か旅行でもしながら悠々自適に過ごそうと。

もちろん、世の中そんな甘いものではなかった。
最初の数年はなんとかやっていけたけれど、あるタイミングでぱったりと仕事が来なくなり、蓄えも減っていった。

仕事を選べるわけもなく、依頼に応じて色々なことをやった。
IT、経営、マーケティング、生産性向上などさまざまなジャンルのセミナー、業界団体のまとめ役、公共機関の嘱託職員、執筆・・・・
注文をもらい、その都度調査をし、その分野に詳しくなっていった。今メインでやっている業務も、当時ジャンル問わず色々なことをやった結果見つけたものだ。

最初から自分の業務はこれだ!と定義し、それ以外の仕事を断っていたら、今の自分はなかったと思う。
当時は不得意だと思っていた仕事が、やってみたら実は人より上手くやれるものだったこともある。もちろんその逆も。

注文をもらわないと仕事はできない。
仕事ができなければ、報酬はもらえない。
報酬が貰えなければ、事業は維持できない。
生き延びるためには、人間には食料が、事業には運転資金が必要だからだ。

事業が維持できなければ、どんな高邁な思想を持っていたとしても、
個人の想いで終わってしまう。他者に、社会に影響を及ぼすことはできない。

まずは注文をもらうこと。一つ一つを誠実にこなしていくうちに、
当初想定すらしていなかった遠くて高いところにたどり着いていることに気づくだろう。

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