誰かに「頑張って」とか「頑張ろう」と伝えるのが、あまり得意ではない。
基本は皆「頑張ってる」
基本的に人は常に、自分の立場なりに「頑張って」いるものだと思っている。そこに加えてさらに頑張れというのも酷な話だろう。
「もう頑張ってるよ、これ以上どうしろっていうんだ」と返答されたら、返す言葉もない。
また、ごく一部の「頑張らない」人達に対して「頑張って」と鼓舞したところで、あまり効果はないと思う。
さらにごく一部、頑張ってないけれど「頑張れ」と言えば頑張り始める人も居るのかもしれない。でもそれは何パーセントだろうか?
昔からそういうことを考えていた。
鼓舞や激励ではなく環境の整備を
私は経営者だ。社内においてはある程度のルールを作る権限がある(100%ではないが)。
「頑張って」とスタッフを鼓舞することもできるし、お菓子などの差し入れも意味がないとは言わない。
ただ一番気をつけるべきはスタッフを鼓舞・激励することではなく、「効果的に頑張れるような仕組みを用意すること」だと思っている。
「良い戦略 悪い戦略」という本にはこう書いてある。
・・・彼らに欠けていたのは、有能で戦略的な指揮官だった。
がんばることは人生において大事ではあるが、
「最後のひとふんばり」をひたすら要求するだけのリーダーは能が無い。
リーダーの仕事は、効果的にがんばれるような状況を創り出すことであり、
努力する価値のある戦略を立てることである。
また、作者が相談を受けた経営者にこう返答した。
いまの君の方針では、モチベーションだけが頼りということになる。
率直に言って、そのやり方は奨められない。
ビジネスの競争は力と意志だけではどうにもならないからだ。
モノを言うのは洞察力や差異化を図る能力だ。
私のみるところ、モチベーションだけで君の掲げる目標を達成できるとは思えない。
この後、経営者は「ビジョンを描こう」と謳う別のコンサルを雇ったそうだ。
紺屋の白袴
こんな偉そうなことを書いているけれど、締切間際になると従業員に長時間労働を強いているのが、不本意ながら現実だ。
さらに効率化すれば、人を雇えば、どんなに忙しい時期でも全スタッフが定時に帰宅し、土日も休めるようにできるだろうか?
最近は自分の仕事が忙しく、業務改善が後回しになっている。なんとかしなければ。