文章を書く仕事をしている。
補助金の申請支援がメイン業務なので、大量の文書を作成することになる。
骨格はクライアントが作るけれど、そのエビデンスを集め、表現を工夫し、わかりやすい文章として作り込む。
マーケティングも文章頼みだ。ブログ、メルマガ、福岡県中小企業団体中央会や帝国データバンクに依頼されている原稿・・・・
日々大量の文章を作成し、その文章を売って糊口を凌いでいる。
先日、マーケティングツールを販売している企業の営業と話す機会があった。
メルマガなど情報発信の重要性は、どの会社も、どの社長も理解している。
しかし、ネタが続くかどうかが怖くて誰もが一歩を踏み出せないそうだ。
確かに、同業者のメルマガやブログを情報収集のために見ているが、
1年以上更新のないものもたくさんある。「ネタが続かなかった」のだろう。
ネタ。確かに続かない。毎回悶え苦しみながらネタを引っ張り出している。
これはいい!という会心のネタもあれば、期日に間に合わず無理やり捻り出した、本人としても納得のいかないネタもある。
ネタになるからといって企業の機密情報を書くわけにはいかないし、
ネタを見つけるために外出したり何かの体験に行くのも本末転倒だ。
ショートショート小説で有名な星新一はこう言ったそうだ。
無から有を生み出すインスピレーションなど、
そうつごうよく簡単にわいてくるわけがない。
メモの山をひっかきまわし、腕組みして歩きまわり、溜息をつき、
無為に過ぎていく時間を気にし、焼き直しの誘惑と戦い、
思いつきをいくつかメモし、そのいずれにも不満を感じ、
コーヒーを飲み、自己の才能が尽きたらしいと絶望し、
目薬をさし、石けんで手を洗い、またメモを読みかえす。
けっして気力をゆるめてはならない。星新一(小説家)
あの高名なショートショート作家でさえ、気力をゆるめず日々を過ごすことでなんとかネタを引っ張り出している。
苦しまないと、悩まないとネタは生まれないようだ。つまり私はこの仕事を続ける限り、この状況からは逃れられないということか。