個人的には「正しいこと」なんてなく、状況と時代の価値観がそれを決めるのだと思っている。
とは言え、人は皆「自分が正しい」ことにこだわる。自分が正しいことを証明するためには、なんらかの不利益を受けても構わないほどに。
私の仕事は、企業のコンサルティングだ。
#以前は「中小企業」としていたが、付き合う企業の規模が大きくなったため、最近はこう表現するようにしている。
#資格の名称は「中小企業診断士」だけれど、だからって大企業のコンサルティングをしてはいけないということはない。
クライアントなり、紹介者なりを説得しなければいけないこともある。
自分の「正しさ」に拘っていたら、説得は成功しない。引くべき所は引き、双方にメリットのある提案をする。
ときおりそれができない人に遭遇する。リアルでもあるが、ネットで見かけることの方が多い。
「私は真実をしっている、世間の人はだまされている」と、彼らは言う。
しかし、状況を変えようと思ったら、その彼らがバカにしているであろう「世間の人」を動かさなければいけない。
ネットで文句を言い、自分の意見に賛同する「信者」に対して高らかに自分の意見を言うだけなら、ラクに違いない。
私は経営者なので、目の前の人を説得し、報酬をいただき、会社を維持しないといけない。
「正しさ」を主張しても、何の益もない。