とある地方のローカル線の駅。
駅のホームは片側のみにある。線路の反対側へ行く正式な通路はない。
ただ、獣道はできていて、反対側から渡れるようになっていた。
おそらくだが、住民が勝手に歩き、いつしかそこが道になったのだろう。
運営会社が「危険ですので踏切の場所に移動して」というような看板を立てていたが、近くには踏切は見当たらなかった。
世の中では、便利な手段が選ばれる。多少の危険は、確率が低いのであれば無視される。自己責任で、便利な手段を選ぶ。
「危険じゃないか」と誰かがクレームをつけて、この道が閉鎖されたり、大金をかけて渡り廊下ができたり小型の踏切が設置されるような、そんな窮屈な世の中は嫌だなあと思う。