SFの大御所、アイザック・アシモフはこう言った。
もし医者から「あと6分しか生きられない」と告げられても、私はくよくよ悩んだりしない。タイピングの速度を少し上げるだろう
人間は自分がいつか死んでしまうことを忘れている。いや、あえて考えないようにしている。
考えてしまったら、どうする? 克服できない「死」を、擬似的に克服しようとする。
それは例えば子孫を残すことであったり、社会に足跡を残すことであったり。
神と死後の世界を信じることで克服するという手法もお馴染みだ。
(興味のある方は「存在脅威管理理論」を調べてみるといい)
ただ、私はどの方法も選べなさそうだ。子孫はいないし、
しがない中小企業の社長で、社会の残るほどの足跡はつけられそうにないし、
宗教を信じるにはいささかひねくれ過ぎてしまった。
死を克服はできないけれど、アシモフのように、死の直前まで淡々と仕事を続けられればいいなと思う。