ホワイトライ

White Lie.白い嘘。優しい、嘘。
本当のことしか話せない人がもし居たとしたら、彼は孤立するだろう。

何かを主張する人に「それはおかしいよ」と指摘したところで、
「そうだったのか、私が間違っていたよ」となることはほぼない。
彼の意見は変わらない、ただ指摘した人が嫌われるだけ。
もっとも意見を変えようとしたわけじゃない、ただ議論して、
より確からしい答えを一緒に探したい、自分とは別の意見を聞きたいと思っただけなのに。

嫌われるくらいならば、何も言わない方がいい。
もしくは適当に彼の発言を肯定しておけばいい。

「私は嘘をつかない」という人は、こういったものを「嘘」の範疇に入れていないのだろう。
言葉は難しい。人によって定義も、範囲も変わる。
そしてそこを細かく確認しようとすれば、やはりその人は孤立してしまう。
おかしな、面倒くさいやつだと。なあなあで済ませておけよと。

こうして議論は深まらず、解決策も見つからず。
ただただ優しいだけの世界が平坦に続いていく。

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