ノウハウ盗んで独立する奴

財布を盗む、スリ

ノウハウ盗んで独立する。ついでに一部の(優良な)顧客も奪う。
士業では(士業に限らないが)、よく見る風景だ。

大きな設備投資が必要なビジネスではない、PCとスマホ、あとは仕事をくれる顧客さえいればすぐ独立できる。
勤めていた会社の価格帯も把握しているので、それより少し安い額で営業すれば、一部の顧客はそちらへ流れてしまう。

私もやられたことがある。辞める時は「お世話になったので独立しても同じ業務はしません」と言っていたのに・・・・と、悔やんでも仕方がない。
結局のところ、私が子供で、甘ちゃんだったのだろう。当社の顧客も何社かは流れてしまった。

仕事を教え、給料を払っていた人間から裏切られるのは、軽いトラウマ体験ではある。

ーー

先日とあるセミナーで受講者が、「ノウハウ盗んで独立する社員の対策」を質問していた、
講師はこう回答していた。

「そんなものは無視していい。ゼロにはできない。
それに、ノウハウ盗んで独立するような奴は、
システムの改善もできないし、そこからの発展がないので
放っておいていてもいずれ自滅する、だから無視していい」

・・・実際にそうだった。独立した社員は、数年後には多くの仕事を中途半端にしたまま消息不明となった。
しばらく連絡のなかった顧客からはこんな電話がかかってきた。

「実は以前、御社にいたあの人から安い値段で営業されてそちらに移った、
今あの人と連絡が取れなくて困っている、助けてほしい」

それも一度や二度ではない。

現時点での「ノウハウ」は盗めたのかもしれない、
しかし、ノウハウの裏にある「システム(仕組み)」や「思想」までは盗めなかったようだ。

関連記事

  1. 売り込めばいいじゃないか

  2. 一人だけ抜け出すイメージ

    「違い」を主張しなければ、生き残れない

  3. 仕事と何かを混ぜないでよ

  4. 「本日休業」看板の機会損失

  5. 聞けば分かること

  6. 意味的価値と機能的価値、問題定義と問題解決(SEDAモデル)

最近の記事

  1. 2024.04.26

    世間の評価
  2. バックアップ、プランB

    2024.04.23

    雨が降っても
  3. 2024.04.15

    メンテナンス

読書記録(ブクログ)