会社にとってお金は重要だ。
まあ個人にとっても重要ではあるのだが、個人は最悪生活保護などのセーフティネットが活用できる。
法人は、金がなくなれば倒産だ。黒字でも、どんなに競争力のあるビジネスをしていても、金が尽きた時が、その会社の終わり。
手元のお金が厳しくなれば、経営者はもうそのことしか考えられなくなる。
高尚な理想も、従業員への愛情も、取引先への感謝も、全てが二の次だ。まずは月末の支払いに耐えられるお金の確保を!
その経営者が持つビジネスに関する能力がどんなに素晴らしいものだろうと、資金ぐりのことが脳内のほぼ100%を占めている状態では、その力をほとんど発揮できないだろう。
経営コンサルタント(中小企業診断士)として様々な企業の内部を見てきて、また、自分でも10年ほど法人経営をしてきて、
「お金のことをなるべく考えないで済む」状態をいかに維持するかが経営の重要な要素ではないかと思うようになった。
手元の現預金を厚くする。いつでも融資が受けられる状態にしておく。
手堅い投資で安定した売り上げを作る。要は、ちょっとやそっとでは資金が枯渇しないようにしておく。
お金のことを考えなくてよくなって初めて、自分の力をビジネスに100%投入できる。