建前を指針にしてはダメだ

本音がある。建前もある。
これは日本だけじゃない、先日急に「ガソリン車もOK」と言い始めたEUにだってある。ポリティカル・コレクトネスで騒がしい米国にだって。

建前は綺麗事だ。誰も反論できない、美しく、調和の取れた言説。
しかし建前はあくまで建前。本音は別のところにある。

大阪にIR(統合リゾート施設)ができるそうだ。カジノも併設されるということで、ギャンブル中毒の弊害が懸念されている。
これは建前。本音を言えば「パチンコや競馬がすでにあり、中毒者もたくさん居るなかでカジノが増えたところで・・・」なのだが、それは言わない。
建前を主張している方が気持ちがいいから。ただ、わかっている人は本音をわかっていて、
何か別の目的を達成するため(それは政府の批判であったり、自身の思想の実現だったり)に建前を強調しているに過ぎない。

偉い人が言っている「建前」を「本音」だと勘違いして行動すると、ある時点でその偉い人からいきなり梯子を外されてしまう。
理屈はどうにでもなる。理屈すら言わずに梯子を外す人たちだって普通に居る。
梯子を外されたとしたら、あなたは「約束が裏切られた」と感じるだろう。そうではなくそもそも約束なんてなされていなかったのだ。
政治家は選挙に勝てればいい。官僚は出世できればそれでいい、企業は利益を得られればそれでいい。
あなたは本音を見極められず、一時の建前に踊らされていたに過ぎない。

かといって本音だけで生きていこうとすれば、「冷血漢」「非国民」「公衆衛生の敵」などと批判され、不利益をかこってしまう。

誰かの建前を指針にして意思決定をしてはいけない。
建前を尊重しているふりをしつつ、本音を見極める。
外される可能性のある梯子は登らないか、少しだけ登っていつでも飛び降りられるようにしておく。

ゲームが始まってしばらくして、誰がカモかわからなければ、あなたがカモである可能性が高い。

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