経営学は悩める子羊に答えを示さない

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ダイヤモンド社「ハーバード・ビジネス・レビュー」で人気記事「世界標準の経営理論」連載中の早稲田大学の経営学者、入山章栄先生のセミナーが初めて福岡で開催された。もちろん参加した。

グループディスカッションを含む5時間にわたるセミナーで、いろいろ思うところがあったのでこれから数回に分けてブログにまとめたいと思う。

経営学は答えを示さない

彼は「経営学は役に立つのか」という質問をよく受けるとのこと、
そのときは、逆にこう問い返すそうだ。「あなたにとって、役に立つとは何ですか?」

経営学に答えを求めると「役に立たない」という結論になる。
経営学は、「思考の軸」を与える学問であって、答えを与えてくれるものではないと。

同じような内容を他の経営学者が書いた本でも読んだ気がして、本棚(実際にはPDFファイルの入ったハードディスク)をひっくり返してみた。

「経営学というのは、答えを求める人に答えそのものを与える学問ではありません。着想を与えてくれる学問です。<中略>自分がどうしたらいいかということは、自分で決めていくしかない。ただし、考える手がかりとして、経営学の理論や手法は一定のヒントを与えてくれる。経営学とはそういう種類の学問です。」
事業創造のロジック ダントツのビジネスを発想する – 根来 龍之 著

同じ早稲田大学ビジネススクールの教授なので、学内でそういうコンセンサスがあるのかもしれない。(もしかしたら経営学者全体がそうなのかもしれないが)

答えはどこにもない

経営学に限らず、およそ社会科学と呼ばれる分野においては明確な答えを出すこと不可能だ。少なくとも現在の技術においては。
考慮すべきパラメータ(項目)が多すぎて、論理や計算でどうにかなるものではないのだ。

「答え」が欲しければ、経営学を学ぶべきではないと思う。宗教家か占い師の門を叩くべきだ。

経営学を学ばずとも、自力で同じ結論にたどり着いている経営者もいる。
しかし、経営学という思考の軸を使って考えれば、より早くその結論に到達できる。

答えはどこにもないが、答えに近づくための乗り物や近道は存在する。
それが経営学だと思う。

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