持ち家や自社ビルというものにあまり興味がわかない。
メリットは理解できる
家を買う、自社ビルを持つメリットはよくわかる。
定住しなければならない事情もあるだろうし、老後の住まいやステータスとしての価値があるだろう。
企業なら信用度が高まるし、仕事をしやすい環境を一から構築できるのは魅力だ。
家賃と同じくらいの返済額なら・・・というのもわかる。
デメリットを考える
不動産を持つと身重になる。一旦手に入れた物は手放したくはない(保有効果)し、
売却の過程では損することもある(得することもある)。
不動産の維持がいつのまにか目的になり、もっと重要なはずの経営判断を間違えてしまう。
以前、業績不振に陥った企業があった。
銀行からの追加融資は望むべくもない。
社長の住宅(当時1億円以上の価値があった)を売れば
再起のための資金が確保できるのだが、
社長は自宅の売却を頑として拒否した。
家族の手前もあったのだろう、いまさら小さなアパートに引っ越すのはプライドが許さないと。
その企業は倒産した。
#もちろん、自宅を売却しなかったことだけが原因ではないが。
社長は最後まで自宅を手放すことができなかったが、
自己破産の過程で自宅は売却された。
経営判断をシンプルにしたいから
もちろんこれは一例であって、自社ビルを購入してますます発展する企業もたくさんあるだろう。
なので自社ビルや社長の邸宅の購入イコール悪というつもりはない。
私は、自分の経営判断をなるべくシンプルにしたいと思っている。
「自社ビルや自宅の維持」といった要素を経営判断に組み込んだうえで最適解を出せるほど器用な人間ではない。
#同じ理由から、親族を会社で雇うこともない。家族と会社では運営のルールが異なるから、混ぜると経営判断が複雑になってしまうと思う。