本当の「会社」

先日、士業の知人からこう言われた。
「事業が自分がいないと回らない間は、いくら人数が多かろうが、株式会社だろうが、所詮個人商店だよ」

そう、そうなのだ。
私は10年前に法人化し、その後数年して人を雇い、今は10名以上を雇用している。
外から見たら、まあ社長だろう。(ラフな格好をしてるせいか、名刺を渡すと驚かれることも多い)
ただ、今自分が死んだら、いなくなったら、それでも事業が回り続けるかと言われると、些か心許ない。

いや、それは単に自分が重要な人物で、「余人を持って変えがたい」と思いたいだけなのかもしれない。
実際は、私なんて交換可能な部品にすぎず、いなくなろうが、誰か他の人に変わろうが、
事業はクルクルと円滑に回っていくのかもしれない。
むしろ、別の人が社長をやった方が大きく成長でき、給与も増えて社員も幸せになったりして・・とも、思う。

とある本では「社長が1週間(1ヶ月だったかも)くらい海外に出かけて音信不通になり、帰国した時にも事業に全く問題が発生していない」というのが、「いい会社」だと書いていた。
1ヶ月会社のことを考えずに過ごすのは、おそらく今の自分には不可能だ(1時間だって怪しい)。

もし自分が社長の座に留まり続けることが全体にとって最適ではないのだとしたら、
そこで自分の承認欲求や何やらに絡み取られることなく、潔く身を引けるような人間でありたいよなあと思う。
とまれ、悟りの道は遠い。

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