仮説を必要としなくなるまで

19世紀初頭のことだ。
数学者ラプラスの著「天体力学」を読んだナポレオンはラプラスに「この本には神について書かれていないが』と尋ねた。

ラプラスは『私の書物にそのような仮説は必要ありません(Je n’avais pas besoin de cette hypothèse-là. (“I had no need of that hypothesis.”)』と答えた。


神や、因果関係の不確かな要素を排除して、あやふやな「仮説」を極力持ち出す必要のない堅牢な計画を作ろう。
完璧な計画は作れない。経営者は全能の神ではない。それでも、「こうなるはずだ」「こうに違いない」という期待や思い込みによる仮説をできる限り減らすことは可能だ。(ゼロにはできない、もちろん)

未来は誰にも予想できないが、計画することはできる。
思った通りに行かなかったら、計画を変更すればいい。そこに理由があるのなら、周囲は納得してくれる。

計画を作らなければ、自分が正しい道を歩んでいるかどうかがわからない。
現在位置のわからないカーナビが示すルートを、誰が信じるだろう?

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