自分の感情を観察する。
自分はどう感じているのか。
今の気分はどうなのか。
そういったことを自問する。
この「自覚」ほど大切なものはない。
これが充分にできていれば、
感情を除いた思考ができるようになる。「悲観する力」森博嗣著
自分の感情を観察する、これができる人は少ない。
感情のあまり声を荒げてしまったり、
感情ありきで論理をねじ曲げてしまったり。
筆者やもともと冷静なタイプで、
知人から「赤い血が流れていない」と評されることもしばしばだが、
それでも自分や家族、従業員や友人のこととなればそうはいかない。
感情に引っ張られて、愚かな意思決定をしてしまったケースなどは歴史をひもとけばいくらでも発見できる。
そうならないために、感情を除いた思考ができるようになるのは大事だ。
感情を除いただけでは
ただ、感情を除いた思考をそのまま外部に表出するのはまずい。
ロジカルな人間は、(実際はそうではないが)イコール冷たい人間と思われがちだ。
そんな人間と一緒に仕事をしたい人は居ないし、ついていきたいと思う部下もいない。
感情を除き、思考し、再度感情を加える
順番が重要なのだと思う。
感情にまかせて理論を構築するのではなく、
一旦感情を排し、自分の損得すら除外して、論理のみで思考する。
その後、感情をもう一度付加する。
「理論的にはそうだけど私はこうしたい」という結論でも構わない。
それはきっと、感情にまかせて思考しただけの結論よりも、
より堅牢で、相手を説得できるものになっているはずだから。