調子の良かった(少なくとも、外からはそう見えた)会社がいきなり潰れてしまうことがある。
経営コンサルタントをしているので、企業の栄枯盛衰を他の職業よりは多く見ている。
あと2週間で潰れると電話がかかってきたことがある。
急に連絡がつかなくなった社長もいる。
眠れないから今からこっちに来て話し相手になってくれと言われたこともある。
借金を返してくれなかった人もいる。
社長の借金返済のために、所有していたベンツSクラスを買わされそうになったこともある。(今となっては買っておけば良かった。格安だった)
彼らが全員、放漫経営だとか大きな戦略のミスだとかで失敗したわけではない。
欠点がないとは言わないが、人間的にも魅力的な人物ばかりだ。
また、どの会社も「うまくいっている時期」があった。
ほんのちょっとしたことがきっかけで風向きが変わり、急激に業績が悪化し、倒産の憂き目に遭ってしまった。
彼らに起きたことが、自分に起きないと、どうして言えるだろうか?
風向きが変わった時に、耐え忍ぶだけの、もう一度風向きが変わるのを待てるだけの余裕。それがなければ安心できない。
私が過度な節税に走らず、保険や投資にも興味を示さず、利益をきちんと出してキャッシュを溜め込むような経営スタイルを好むのは
風向きは社長の徳性とか能力に関わらず、突然に、暴力的に変わってしまうのをたくさん見てきたからかもしれない。