灰皿を投票箱に(強制ではなく理由を与える)

とある会社の喫煙所。喫煙者が灰皿にタバコの吸い殻を捨てなくて困っていたそうだ。
吸い殻は床に捨てられて、見た目も悪いし掃除も大変だ。

総務部は、「吸い殻は灰皿に捨てよう」といった張り紙を設置した。しかし、ほとんど効果がなかった。
おそらく総務部内にゲーミフィケーションという概念について知っている人が居たのだろう、ある手法を導入して以降、喫煙者は吸い殻を必ず灰皿に入れるようになったそうだ。

ゲーミフィケーション(英: gamification)は、課題の解決や顧客ロイヤリティの向上に、ゲームデザインの技術やメカニズムを利用する活動全般

強制ではなく、そうしたくなる理由を与える

何をしたのか?灰皿を二つ設置し、それぞれに「YES」と「NO」というシールを貼った。
そして、壁の張り紙に「喫煙室へ空気清浄機をつけるべきか」「タバコ休憩の時間を制限すべきか」といった喫煙者が興味をもちそうなテーマの質問を貼る。
喫煙者は、テーマへの賛意をYES,NOどちらの灰皿に入れるかで示す。
この方法で、床に吸い殻を捨てる人は激減したとか。

強制しても人は動かない。善意に訴えても同様だ。
自分からそうしたくなるような理由を作れば、人は自発的に動く。

部下の指導や、取引先への対応も同じで、ゲーミフィケーションのアイデアは企業活動の様々なシーンに応用できるだろう。

以前、ゲーミフィケーションについてまとめたので参考までに。



関連記事

  1. 希望線。ユーザーの望む道筋を見極める

  2. ひとつの名前で10年間

  3. 言葉に力がある

    長期連載

  4. モデルの明日は

  5. 仮面で握手

    数字は嘘をつかないが、背後に作成者の意図がある。

  6. もとに戻しにくくなるのはわかっていた

最近の記事

  1. 2024.04.15

    メンテナンス

読書記録(ブクログ)