意義の薄れる「前年比比較」

コロナ禍が2年弱も続いたせいで、「前年比比較」の意義が薄れてしまっている。
それだけ見ていたら、企業の実態を勘違いしかねない情報に変質してしまった。

例えば2021年12月の売り上げが、前年比120%だったとしよう。これだけ見ればまずまずだろう。
でも、比較している「前年」とはいつだろうか?2020年12月、つまり、コロナ禍の真っ最中、異常事態だ。
比較対象がそもそも大きく売り上げが落ちている月であり、そこから2割アップしたとしても、コロナ前の同月、つまり2019年12月の水準にはまだまだ達していない。
そう、全然安心できる数字ではないのだ。

前年同月だけ見ていると、業績が回復していると勘違いしそうだ。もちろん回復はしているのだが、まだまだ充分とは言えない数字でしかない。
コロナ禍の間にリストラなど経費削減に努め事業をスリム化していれば、それでも利益が出せる体質になっているだろう。
でも、そうでなければ、2割アップしても依然として赤字を垂れ流していることに変わりはない。

諸々の原価も上昇している、本来であればコロナ前よりも売り上げを増やさなければ、原価の上昇を吸収しきれないはずだ。

おそらくここ数年は、コロナ前、つまり、2020年3月以前の数字との比較が必須になる。
移動年計も(かつてほどには)役に立たない。季節変動の影響よりも、コロナの影響が大きすぎる。

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