実行力の差

井上達彦著「模倣の経営学」からの引用。

ユニクロを作った柳生正氏も次のように語っている。
「ユニクロは斬新な成功モデルといわれますが、私のアイデアは別に斬新なわけではありません。
事実、1980年代に、米国ではリミテッドやギャップ、英国ではネクストのような、新しい形態の衣料事業が台頭してきており、
それを見て日本でも同じようなことを考えた人はたくさんいたのではないでしょうか。
でも、私たちだけが実現できたのは、「実行力」の差でしょう」

私は経営コンサルタントなので、ビジネスの相談を受けることも多い。
美しいビジネスモデルの書かれたプレゼン資料を見せられ、「どうですか、成功しそうですか?」と、
自信たっぷりに聞かれることもある。

私は答えに窮してしまう。実行力というパラメーター(指標)が見えないからだ。
起業家自身の実行力もそうだし、その下で働く、私が会ったこともない従業員の実行力なんて全くわからない。

どんなにビジネスモデルが優れていても、実行力が伴わなければ成功しない。
実行力のある誰かにビジネスモデルを模倣されたら、一貫の終わりだ。

ちなみに、ネットで書籍を売ったパイオニアはアマゾンではない。
SNSのパイオニアもフェイスブックではない。
彼らは、後からやってきた、実行力に優れた2番手だった。

そこで私は実行力に関する質問をする。営業活動をどれくらいしているか、
現在の顧客は何社で、客単価やLTVはどうなっているのか。
開発スケジュールはどうか、それは守られているか、数値管理をどこまでしているか。
PDCAサイクルについてどう認識しているか、回転数はどれくらいか。

#余談だが、PDCAサイクルを高速に回します!、と言っている人に、
#何日で何回転?と聞くと黙ってしまうのはなぜなんだろう。

曖昧に誤魔化されたり、「いいビジネスなので客は勝手に集まる(だから細かいことは気にしない)」と言われたら、
その人は起業家ではなく、アイデアマンなのだと思う。
それが悪いとは言わない。ただ、自分で事業を始めるのではなく、実行力のある誰かにアイデアを売って金に替えた方がいいだろう。

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