「三人寄れば文殊の知恵」ということわざがある。
新しい企画を練るとき、とりあえずプロジェクトメンバーで集まってブレストを始める組織も多いと思う。
しかし、ただ集まれば(寄れば)、必ず個人よりもいいアイデアが出るというわけではない。
集団の方が個人よりも愚かな決定をしてしまうことはままある。
1+1+1=3以上になる「賢い集団」を作るには、下記の4つの要件を満たす必要がある。
- 意見の多様性
- 独立性
- 分散性
- 集約性
各人が独自の意見を多少なりとも持っていること。
会議をしても、皆が考えているようなありきたりな意見しか出なければ意味がない。
同じ会社の同じ部署、いつも顔を合わせているメンバーで打ち合わせしても、多様な意見は出ないだろう。
他社の考えに左右されず、自分の意見が言えること。
多様な意見を持つメンバーが揃っていても、会議に権力者が参加していて独自の意見が言えない・・・ではだめだ。
「○○さんの意見と同じです」という発言が多くなったら要注意。
たとえば、全員が同じ資料を読み込んできて打ち合わせをしたところで、解釈の仕方で議論になるのが関の山だろう。それぞれが関連する別の資料、できれば自分の得意な分野を読み込み、打ち合わせにはなるべく多い情報を持ち込めるようにした方が、アウトプットの質は上がる(意見の多様性にも繋がる)
多様な意見を持ち、独立した個々人の判断は、そのままでは意見の羅列になってしまう。
会議としてひとつの結論を出すには、多様な意見を集計して一つの判断にするメカニズムの存在が必須となる。
賢い集団で意思決定を行うために
上記4条件を満たす「賢い集団」を作るために、現実的に可能な取り組みを考えてみた。
- バラエティのあるメンバー構成とする。必要であれば異業種も混ぜる
- 他メンバーの意見を否定しない(ブレストの基本)
- 事前準備を行う(手ぶらで会議に来させない)
- 皆の意見を集約し納得できる結論を出せる議長ないしファシリテータの存在
「とりあえず集まろう」は辞めて、上記の項目を意識して会議の準備をしよう。