会社を大きくしたかったわけではない。
10年以上前、コンサル会社を辞めて独立したときには、法人化しようとか、人を雇おうとか露程も思っていなかった。
自分と家族を食べさせるだけの収入があれば満足だと思っていたし、当初の数年はまさにそれくらいの売上だった。
当時は独身だったというのもあるが、本当にささやかな売上で十分だったのだ。
規模の力
それからいろいろな幸運が重なって、会社がそこそこ大きくなった。従業員10名を抱えている中小企業診断士は、
すくなくとも福岡県内では私の知る限り存在しない。
規模が大きくなると人間関係などいろいろ大変な事もあるが、良いこともある。
その一つが「規模の力」を享受できること。具体的には、大型の投資ができることだ。
たとえばシステム投資だったり、高額なサービスの導入、個人なら絶対に買わない様な高価な書籍の購入。
ひとりだったら「なにもそこまで」と、我慢していたような効率化の取り組みが、躊躇なく行える。
ひとりならば、SFAやCRM、MAや連動するIP電話なんて導入していないだろう。
「あえて小規模に留める」という経営のスタイルを否定はしないが、
規模があれば余剰の資金を用いて投資ができる。経営には継続的な投資が必要なのは言うまでもない。
そして、100万円の投資よりも1000万円の投資の方が効果が出る可能性が高いのも事実だ。