成功・失敗の原因は?〜ワイナーのモデルで考える

あなたは成功したとき、何に原因を求める?
失敗したときは?
ワイナーのモデルというものがある。

これは、失敗の原因を「安定<>不安定」「外的<>内的」の
二つの軸を使ったマトリックスで分類したものだ。

ひとつづつ見てみよう。

(1)能力「私はすごい」

内的・安定の象限。
成功した場合にその原因を
「自分の能力」に帰する考え方。
外部の条件に左右されず、
また「能力」は持って生まれたものであるから、
変わらないと考えると安定した考えと言える。
精神的には健康と言えるのだが、
「能力」を褒めるより
「努力」を褒めた方が
人は成長するという研究結果もある。

(2)努力「がんばった結果だ」

内的・不安定の象限。
成功すれば「がんばった」、
失敗すれば「自分の努力が足りなかった」と考える。
現実において「どこまで努力すれば成功するのか」が
明確になることはほとんどなく、
努力の程度と結果の相関も見えない。
残念ながら、努力は必ずしも成功を約束しない。

(3)課題の難しさ「私にはレベルが高い」

外的・安定の象限。
失敗した際に「自分にはレベルが高い課題であった」と考える。
そのあとに「だから努力しよう」と思うのか、
それとも「次に同じ課題が来たら避けよう」と思うのかで、
その後の成長は大きく変わるだろう。
自分のレベルをきちんと把握することはとても難しいが、
この思考が一番健全かつ合理的だと言える。

(4)運「たまたま偶然が重なった」

外的・不安定の象限。
自分では説明のつかない成功や失敗について
分析を重ねるより、いっそ「運」のせいにして
忘れてしまうのは精神の健康のためには重要だと思う。
もちろん、全てを運のせいにしてしまえば、そこに成長はない。
運としか思えないことも、日々の細かな
努力の結果ということは十分ありえる。

適切なボックスに入れる

1から4までのどの象限を選ぶかは、状況によって異なるだろう。
自分の努力不足が原因なのに、運のせいにするなど象限を間違えると
その成功や失敗から学習する機会を失ってしまう。
#「やればできる」とばかり言っている人を想起してほしい。

自分の能力(1)を冷静に把握し、
その上で成果の有無にかかわらず弛まず努力する(2)、
課題の難しさを分析し自分ならなんとかやれる仕事を受け(3)、
日々の活動で人と交流し情報発信を行い「運」を引き寄せる(4)。

成功や失敗を冷静に見つめ、4つのボックスのどれかに入れる。
そうすれば、成功や失敗から正しく学ぶことができる。

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