問題の当事者を叱っても何も解決しない。
ルールを一度作れば、ルールを守るためのルール・・
というように無限に増殖していく。
以前、「チャイムが鳴ったら入口近くに郵便物を取りに行くという作業が、よく気が付く特定のスタッフに偏り、不公平だ」
と言う苦情が社内で出た。
なるほど、確かにそうかもしれない。しかしどうしたものか。
取りに行かないスタッフを(社長である)筆者が怒ってもあまり意味がない。
一時的には改善するかもしれないが、いずれまたやらなくなるだろう。
また、担当を決めたとしても、誰が担当するかの管理も大変だ。
担当が休みの場合、誰が代わりを務めるのか。担当が外出している場合は?その代わりの人も休んだ場合は?
たまたま入口の近くに(担当ではない)スタッフが居たとして、
郵便物が届いても担当じゃないから受け取らないとなれば本末転倒だ。
そこで当社は荷物受け取りのルールをこう変更した。
運送会社の担当に、郵便物を持ってきてもチャイムを鳴らさず、
ドアの横にある机に何も言わずに荷物を置いて退出してもらうよう伝えた。
「郵便物が来たら誰かが対面で受け取らないといけない」と言う前提を見直すことで、
問題そのものを無くした、ということだ。
入り口に置かれた荷物は、入退室時に適宜回収すれば良い。
シンプルな話なのではあるが、個人の道徳に訴えたり、ルールを作り例外条件を細かく規定するよりは、ずっと楽だ。
怒りや恐怖で支配しなくとも、ルールでガチガチに縛らなくても、仕組みで解決できるものならそうした方が良い。
そのほうがストレスなく仕事を進めることができると思っている。