いらいらしない会話のために。「グライスの会話の公準」

ディスコミュニケーション

人と会話するときに気をつけるべき4項目を
「グライスの会話の公準」という。
(海保博之著「心理学者が教える 読ませる技術 聞かせる技術」より)

1.適度の情報量

会話のなかの情報量は適度でなければいけない。
多すぎても、少なすぎてもダメだ。
軽い世間話なのに詳しいオタクな知識を聞きたくはないし、
詳しい情報が知りたいのに、一般論を語られても興ざめだろう。

2.真実性

ジョークや、「今から嘘を言う」と宣言してからでもない限り、
嘘は言わない。
相手が言っていることが真実かどうかをいちいち検証していたら、
会話は成り立たない。
とはいえ、ことビジネスの場面においては、
相手が必ずしも真実を言うかどうかは自明ではないのだけれど。

3.一貫性

会話のなかで立場や意見がころころ変われば、
その会話は成り立たない。
変わるのを否定はしないが、その場合
「なぜ変わったのか」を明確にすれば、
一貫性は保たれる。

4.明瞭性

誤解されないように、シンプルに、明瞭に話す。
思わせぶりな発言や、二重・三重の意味に取れる発言は
使わない。

当たり前の解決策

こうして並べてみると当たり前のことばかりだ。

誰かと話してて「なんかしっくりこないな」
「なんかイライラするな」という場合、この
4項目のいずれかが不足していることが多い。

その解決策も簡単だ。
相手に依頼すればいい。

情報量が適度でなければ、レベルを上げ下げしてもらう。

真実性に疑念があれば、それを確認する。

一貫性がなければ、それを指摘し、前言を翻した理由を聞く。

明瞭性が不足しているなら、発言を言い換えたり
例え話を用いて確認する。

手間はかかるけれど、それだけで解決する。

もっとも、上記のような指摘をするだけで怒り出したり
不愉快になるような器の小さい御仁も残念ながらいらっしゃる。

人間社会で生きていくには、
「公準」通りにはいかないことも多々あるようで。

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