解決策の「射程距離」

見通し、未来予測、双眼鏡、青空

解決策にはふたつある。
短期的なものと、長期的なものだ。

短期的な解決策と、長期的な解決策は
分けて考えるべきで、
短期的かつ即効性のある解決策でまずは
早急に事態を改善する。
このとき効果は必要最低限でよいし、
長続きする必要もない。

出血しているけが人にまず必要なのは、
「止血」であって、健康状態の改善ではない。

さて、問題が解決したからといって、
短期的な解決策をそのまま継続してはいけない。
それは往々にして、効果が持続しない、
場当たり的な解決策だからだ。

問題が落ち着いたら、速やかに
長期的な解決策へと移行する。

長期的な解決策とは、
時間も手間もかかるし、効果が出るのも遅いけれど、
効果が大きく、長く持続するものだ。

緊急時にはまったく役に立たないけれど、
長期的な視点からは、それが解決策となる。

解決したからといって放置しては

締切が迫っている、緊急の際に
システムにトラブルが起きたからといって
システムをまるごと入れ替えようとする人間は居ない。

まずは現行のシステムを騙し瞞し動かし、
事態を乗り切るだろう。

本来であれば、落ち着いた後に
根本的な問題の解決に着手しなければいけない。
つまり、短期的な解決策から、
長期的な解決策へ移行するのだ。

ところが、現行のシステムで
うまく乗り切ったからといって
安心してしまい、
問題を放置したまま仕事を続ける。
結果、また同じ事態が発生する。

前回は乗り切れたかもしれない。
今回もなんとかなるだろうか。
次回は?いつか取り返しのつかない事態が起きるだろう。

解決策の「射程」を意識する

自分が取ろうとしている策は、
短期的なものだろうか、
それとも、長期的なものだろうか?

解決策の「射程距離」を把握しておかなければ、
出血している人間に健康指導をしたり、
健康指導が必要な人間に包帯を巻いたりしかねない。

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