フリッツ・パールズという人が1960年代に作った「ゲシュタルトの祈り」という詩がある。
私は私のことをして、あなたはあなたのことをする。
私はあなたの期待に応えるために、この世にいるわけではない。
あなたは私の期待に応えるために、この世にいるわけではない。
あなたはあなた、私は私。
もし偶然二人出会うことがあれば、それはそれですばらしいこと。
けれどもし、出会うことがなければ、それはそれで致し方のないこと。「本当の大人」になるための心理学/諸富祥彦より引用
冷たいように感じる人もいるかもしれない。
だが、「人は他者と分かり合えない」という前提からスタートして、
それでも一緒にできることを探すというアプローチは私にはしっくりきた。
それぞれが自分の利益(それは金銭に限らない)を追求していったら、
結果として皆が幸せになる。「思いやり」とか「絆」といった不安定なものに頼るより、
よほどわかりやすい。