2019もの補助二次募集(H30補正予算)解説〜(2)事業の目的

2019年8月19日に公募が始まった「ものづくり補助金※」の公募要領(手引き)を解説します。
※正式名称は「ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金」です。

事業の目的(7P)

どんな補助金にも目的があります。国は、補助金を与えることで対象となる企業なり個人に「国がしたいと思っている行動」を取って欲しいわけです。
ものづくり補助金の事業の目的は以下の通りです。

足腰の強い経済を構築するため、日本経済の屋台骨である中小企業・小規模事業者等が取り組む生産性向上に資する革新的サービス開発・試作品開発・生産プロセスの改善を行うための設備投資等の一部を支援します。

この文言は、一次募集の際と一切変更ありません。

文章を分解すると

中小企業・小規模事業者が対象です。
生産性向上に資する取り組み、具体的には、「サービス開発」「試作品開発」「生産プロセスの改善」に関連する設備投資の支援です。
「革新的な」という文言が示す通り、他者と違う、なにがしか新しい事を行うのが望ましいです(必須ではありません。後述)

革新的の定義は?

ただし、ここでいう「革新的」というのは、世界で初めて、日本初といったようなレベルのものではありません。
当社のこれまでの支援経験でも、革新性はそれほど高くなくても採択されたケースもあります。反対に、あまりに革新的すぎて(おそらく)審査員の理解がついてこず、不採択になったケースもあります。その案件は、翌年に申請書を修正、「敢えて」革新性の表現を抑えることで、無事採択されました。

まったく革新性のない、単なる設備投資でも採択されたことも多々あります。
審査員はかなりの数いらっしゃるという噂ですし、人間がやることですのでバラツキは仕方がないのでしょう。
何が革新的か、という解釈は審査員によって大きくブレると思われます。

ただ、革新性をアピールできた方が採択の可能性が高いのは事実です。
設備投資によって何か新しいことはできないか、新設備が備える機能のうち、目新しいものはないか、そういった観点からメーカーや代理店、経営コンサルタント等と議論してみましょう。

(つづく)

関連記事

  1. もの補助「グローバル展開型」セミナーを開催しました

  2. 2020年(R1補正)もの補助チラシより〜(1)3つの要件。賃金が重視…

  3. 66パーセントディスカウント

    設備の老朽化、IT投資の不足・・補助金を活用しよう

  4. 上昇するイメージ

    首相が来年の「ものづくり補助金」実施を明言、予算規模は拡大する?

  5. もう一つのもの補助「高度連携促進補助金」詳説(1)〜事業の目的

  6. 2018年2次補正予算は2019年1月の通常国会で審議

最近の記事

  1. 言葉に力がある
  2. 2025.11.13

    2025年モデル
  3. 2025.11.11

    紅葉
  4. 2025.11.10

    勉強グセ
  5. ゼロの集合

    2025.11.07

    確実なゼロ
  6. シーシュポス

    2025.11.04

    責任の分散

読書記録(ブクログ)