2021年補助金概要 (2)ものづくり補助金

令和2年度第3次補正予算案(経済産業省関連)の概要 (METI/経済産業省)

資料はこちらからダウンロードできます。
https://www.meti.go.jp/main/yosan/yosan_fy2020/hosei/pdf/hosei3_yosan_pr.pdf

資料の20ページ、「生産性革命推進事業の特別枠」とは、以下三つの補助金をパッケージにした予算となります。

  • ものづくり補助金
  • 持続化補助金
  • IT導入補助金

この2300億円の予算は特別枠のものです。一般枠に関しては別予算で手当されています(おそらく1000億円前後と推定)。
合算すれば3300億円。基本的に1000億円前後であった過去の予算と比較すれば大幅な増額です。
この「特別枠」は2020年度からコロナ対策のために設定されています、2021年度は前年よりさらに予算が積み増しされています。

なお、どの補助金にどれだけ予算が割り当てられるかは非公開です。
応募者数等により調整されるものと思われます。

今回は当社への依頼が最も多い「ものづくり補助金」を中心に解説します。

事業目的・概要

特別枠を「新特別枠(低感染リスク型ビジネス枠)」に改編するとあります。
2020年(改編前)の特別枠は、以下の三つの類型に別れていました。

  • A.サプライチェーン(補助率2/3)
  • B.非対面ビジネスモデル構築(補助率3/4)
  • C.テレワーク(補助率3/4)

この三つのどれかに当てはまる取り組みである必要があったのですが、問題なのはAとB,Cとで補助率が異なることです。
B,Cの方が補助率が高いため、申請する企業の心理としては「可能であれば補助率が高い(手出しが少なくて済む)類型で出したい」となります。
これでは制度の主旨が歪んでしまう、せめて補助率を統一してくれないか・・・と思っていました。

今回、この資料に書かれている情報から判断する限りでは、
「低感染リスク型ビジネス枠」に改編されるようです。
従来の「非対面」というキーワードではなく「低感染リスク」に変わっているのも、解釈の範囲を広げてくれます。
(業種によっては非対面は不可能だが低感染リスクには対応可能なところもある)

低感染リスク型ビジネスに関係ない取り組みに関しては、一般型が別途用意されるのでしょう。

成果目標

成果目標は前回(2020年度)と変わりません。付加価値額年率3%、給与支給総額1.5%アップです。

この資料からは読み取れないのが「賃上げ未達のペナルティ」です。
この制度改悪が利用の大きな障害となりました。
賃上げを社員に書面で約束し、達成できなければ数年後に補助金を返金するという仕組みで、2020年から新たに追加されています。
これはおそらく2020年1月頃に決定されたと思われます。そう、まだ中小企業がコロナの影響を受けていない頃です。
このルールにより、大量の従業員を雇用している会社や、数年後に定年再雇用で給与水準が大きく下がる企業などは申請を諦めています。
また、「この不確実な時代に外部と社員に対して未来の賃上げを約束できない」「給与水準は経営戦略の一部であり公開できない」と言われる社長もいらっしゃいます。

これまで多数の中小企業を支援してきましたが、ほとんどの中小企業の社長は、従業員の給料を引き上げたいと思っています。
ただ、それを約束することは難しい。儲からなければ、給与アップはできないのですから。

この「賃上げのペナルティ」がなければ、もっとたくさんの方がこの制度を利用できるのですが・・・・・
2年前はそうでした。今回の改定で、ぜひこのルールを撤廃して欲しいです。(まだどうなるかわかりません)

補助上限・補助率

基本的なルールは前年と変わりません。ただ、補助率がそれぞれの補助金毎に一本化されるように読み取れます。
2020年は制度が複雑すぎて理解が難しかった。シンプル化を希望します。

対人接触機会の減少に資する、
「製品開発」
「サービス開発」
「生産プロセスの改善」
に必要な設備投資やシステム構築を支援とあります。

接触機会の減少なので、製造業の工作機械の自動化・省人化なども対象になるでしょう。
「減少」であって「非」ではないのが一つのポイントだと思われます。

まだ情報はA4で1ページ程度です。
正式な公募要領が出るまでは制度の詳細は未確定です。また情報が入り次第お知らせします。

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