団体の運営は向いていなかった

これまでいくつかの団体の理事なり**委員長なりのいわゆる「要職」を務めた経験があるが、
正直、どれも上手くいかなかった。
現在はこれらの役職は全て辞し、自分の経営する法人の運営だけに注力している。

自分が関わってきたそれらの団体には、現在も発展しているものもあるし、残念ながら解散してしまったものもある。

ただ言えるのは、どうやら自分はこういった団体の運営には向いていないらしいということだ。
理事としてメンバーをまとめることもできなかったし、政治的な振る舞いも下手くそだった。
組織内でコンセンサスを作ることも軽視していた。
メンバーを理屈で説得しようとして、却って煙たがれることもあった。
人にお願いしても動いてもらえないのなら、自分でやってしまおうと、
いろいろな業務を抱え込んでしまうことも多かった。

理事長なり理事なりと一応の階層はあるが、会社のように指揮命令系統がしっかりしているわけではない。
命令をしても、その通りに動いてくれるとは限らない。「仕事が忙しくて・・」と先延ばしにされてしまう。
会議の日程を予め決めていても、同じ理由でキャンセルされる。
また、意思決定の理由が合理的でないときにそれを押し切るだけの権威や権力もない。(これは自分のキャラクタのせいかもしれないが)

団体に所属することにメリットがなければメンバーは離れていく。
皆食べていかなければいかないし、時間は有限だ。
だったら、もっとメリットのある団体を探すだろう、当たり前だ。

そして、メリット(仕事なり宣伝効果なり)を団体にもたらしてくれるのは
いつだって少数の人間で、他のメンバーはそれにぶら下がるだけ、となる。

ある団体での話

もう10年くらい前、ある同業者の団体に所属していた。
団体に仕事の依頼があり、内部でプロジェクトメンバーを募った。
自分の得意な分野でもあったので、「やりたい」と希望を出した。
が、選ばれなかった。普段あまり会合にも参加せず、当該分野にそれほど詳しいとも
思えない人が選ばれていた。
理由はわからなかった。聞くと、「諸事情を考慮した結果」の一点張りだった。
「能力が足りない」と言ってもらえれば反論のしようもあったが、これではどうすることもできない。
どうやら、希望を出したメンバーで、選ばれなかったのは私だけのようだ。悲しい。

その後、プロジェクト開始前にメンバーから辞退者が出た。
気が変わったのだろう(これも団体ならではだ。企業組織ではこうも簡単に一旦受けた仕事を辞退できない)。

ひとつ空きが出来たのなら、次点で声がかかるかな、と思ったら、
なんと一名少ないメンバーのままでプロジェクトを進めることになった。
まだプロジェクトが始まっていないので、メンバーを1名変更するコストはそれほどかからないのにも関わらず。

当時は理由がよくわからなかったが、いま改めて考えてみると、
会議の席でよく団体の長に反論をしたりしていたのが長の気に触ったのだと思う。
中小企業診断士の先輩だったが、後輩からの建設的な意見具申を素直に
受け止められるほどには精神的に成熟していなかったようだ。

もちろんこれは当時の私の未熟さ故の問題でもあり、
もっと上手い、相手を不快にさせない反論の仕方があったのだと思う。
いまならもっと上手くやれると思うが、当時は楽観的というか、
「同業者であれば感情を制御し、論理を尽くした議論ができる」と
信じていた面があった。
#いまはそれが幻想だったと理解している。
#中小企業診断士の資格はロジカルな議論の能力を必ずしも保証しないようだ。

ホームページを作ってまめに更新したり、セミナーのコンテンツを作るなど
それまでその団体に無償で様々な貢献を行ってきたつもりだったが、
なんだか馬鹿らしくなってその団体を退会した。
私が退会して1年ほどして、その団体は雲散霧消したようだ。

いくつかの失敗と挫折を経て、指揮命令系統が曖昧な同業者の団体に所属するのではなく、
自らがリスクを取って経営者となり資本を投下し、責任を明確にした組織を運営することにした。
そちらの方が自分には向いていたようで、いまはある程度上手くやれていると(自分では)思っている。

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