専門外だろうに

わたしは中小企業診断士だ。経営コンサルタント唯一の国家資格取得者。
なので、経営に関する広い分野の質問に対して回答できないといけないと思っている。
わからないこともあるが、効率的に調べる方法を知っているので、すぐに回答を導き出せる。
そのために有料の情報も購入しているし、広い分野にアンテナを張っているつもりだ。

税金のことや、法律のことも、一般論であれば回答できる。
ただし専門的なことはわからない。その際ははっきりと「専門外だからわからない」と伝える。
必要に応じて、税理士や弁護士などその分野の専門家を紹介する。

それが責任ある態度だと思っている。

政治も医療も、専門外だ。

私は政治や感染症に対しても専門外だ。
その分野については、素人に毛の生えたような知識しかない。
だから、「こうすべきだ」なんて口が裂けても言えない。

自分の分野、経営に関して素人が何かしゃべっているのを聞くと「いや、そうじゃないんだよ・・・」と嘆息することがあるからだ。
政治家だって医者だって、私が何か、彼らの専門分野で発言すれば、同じ様に苦笑するだろう。

素人は、前提条件をわかっていない。法的な制約も理解していない。
そうだね、経緯を無視して、法律も気にせず、しがらみなくそれができればいいよね。

素人の解決策は効果はあるかもしれないが、それがもたらす副作用も考えていない。
そうだね、副作用で迷惑をかける人達を無視すれば、それが一番の解決策だね。

文句を言うのは構わないが

素人が専門分野について語るな、と象牙の塔みたいなところから偉そうに言っているのではない。
専門家の融通のきかなさについて文句を言うのもいいだろう。

ただ、自分の知識が偏っていることを理解してから発言すべきじゃないかな、と思っている。
「こんなこともわからないなんて、専門家というのはなんてバカなんだ」との発言が、自分の知っている範囲の「狭さ」から来ることを自覚しておきたい。

反論していた人も、専門家と同じ知識を持ち、同じ立場に立てば、きっと何も言えなくなる。

自分もそうだった、サラリーマン時代に経営陣のやり方が不思議でたまらなかった。
「私ならこうするのに、なんであんな愚かなことをするんだ」と思ったものだ。
ところが、中小企業診断士の資格を取り、多くの経営者と話し、自分でも会社を経営しはじめると、
彼ら経営陣がなぜそんな行動を取っていたのかがよくわかるようになった。
いや、そんな行動を取らざるを得なかった理由、か。

というわけで、政治がどうとか、感染症がどうとかに関して込み入った話はできない。
私にできることは、それら時代の変化をできるだけ予測して、それに対応できるいくつかのパターンの計画を立てておくことくらいだ。

あとは専門家を信じるよ。自分がクライアントから信じられているように。

関連記事

  1. パズルのラストピース

    情報時代における専門家の価値

  2. ゼロの集合

    確実なゼロ

  3. 戦略

    人と違うことをやるのが戦略、人よりうまくやるのが戦術

  4. 私でなくても良かった

  5. 旅行、出張

    ありあまるところから、足りないところへ(門司港レトロ 旧門司税関)

  6. 救命浮き輪

    恩返しと、その終わりの話

最近の記事

  1. 2026.04.14

    GTDの復習
  2. 2026.04.13

    頭の体操
  3. 2026.04.09

    昼休みの外出
  4. 2026.04.06

    2026年の桜
  5. 2026.04.03

    移動が多い
  6. 2026.04.02

    IT結婚指輪

読書記録(ブクログ)