前回、前々回の続き。
今回は最後のプロセス「出力」を見ていく。
出力(途中からのデータ表示、「率」と「数」の表現、表示時期の選択)
最後に、分析(統計処理)の終わったデータを出力する段階だ。
みんなに理解してもらえるよう、グラフや表などに加工した上で、ネットや紙媒体で公開することになるが、この段階でも「嘘」が入り込む。
ひとつは、「途中からのデータ表示」だ。
下図はその一例だが、グラフの目盛りをゼロからはじめるか、途中からはじめるかでグラフのイメージは大きく異なる。
左のグラフだと「売上は微増」と見える。右だと「売上は大きく増加」と解釈されそうではないだろうか。
次は「率」と「数」の表現についてだ。
例えば売上が昨年の100億円から110億円に上昇したとしよう。
率で言えば10%アップ、数(金額)で言えば、10億円の上昇だ。
同じように、売上が昨年の10万円から11万円に増えたとしよう。
率は10%アップ、数(金額)で言えば、1万円のアップだ。
あなたがこのグラフの作成者なら、率と数どちらで表現するだろう?
他にも、表示時期、表示期間を変えることで解釈を歪めることもできる。
2008年に、いわゆるリーマンショックが起きた。
特に経済関係の統計データであれば、2008年以前を含めるかそうでないかで、グラフのイメージは大きく変わる。