理論、フレームワーク、行動

フレームワークの話はこれまでも書いてきた。

フレームワークは誰かの思いつきではない。経営学者が様々な事例を研究することで積み上げた「理論」が背景にある。下の図表で言えばルート①−1がそれにあたる。

そうやって作られたフレームワークは、現実の経営で起きる出来事に当てはめられて、行動(実践)に移される。これがルート①-2だ。

しかし、ルート①−1を知らずにルート①-2「だけ」を学んでしまうと何が起きるか。
フレームワークの背景となる理論を知らないために、間違った使い方をしたり(SWOT分析で良く見られる光景)、使うべきでない場所で使ったりという惨劇が発生してしまう。

理論を把握した上で、ツールを使う

本来取るべきはルート②、つまり理論をきっちり理解した上で行動(実践)することだ。
フレームワークを間に挟むルート①は、あくまで理論を理解する時間のない実践者(企業経営者)に提供する便宜的な手段と思った方がいい。

国家公認の経営コンサルタント資格である中小企業診断士たる者、フレームワークの背景となる理論まで理解した上でクライアントに行動(実践)を提案する、ルート②の道を選ぶべきだろう。フレームワークは、必要に応じて使えばいい。
理論を知り、理解するには、大量の読書と思考および実践からのフィードバックが必要となるだろう。

専門家の看板を掲げているのにも関わらず、初心者向けにフレームワークを紹介した本だけを読んだ浅薄な知識をもって、クライアント企業の行く末を左右する提案を行うなどもってのほかだと思う。

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