いきなりSWOT、いきなり4Pの愚

SWOT分析

SWOT分析、4P分析といった手法があります。

前者は企業の強み(Strength)・弱み(Weakness)・
機会(Opportunity)・脅威(Threat)を分析するもの、

後者は商品・サービスをそのもの(Product)、価格(Price)、
チャネル(Place)、販促(Promotion)の4つの切り口から分析するものです。
それぞれ英語の頭文字から名付けられています。

いきなりSWOT分析を行っても意味のある結論は出ない

これらの分析をいきなり行っても、意味のある結論は出てきません。
むしろ要点のわからない、「それ同業他社ならどこでも言えることだよね」と突っ込まれるような結論になります。

なぜか?事前に分析の対象を絞る、という行動をしていないからです。

ある事象が「強み」か「弱み」かは、前提条件によってころころ変わる

どんな物事も、光の当て方によってメリットとデメリットがあるものです。
例えば社員数が少ない企業がいたとして、これは強みでしょうか、それとも弱みでしょうか?

その回答は、対象とする市場や顧客によって異なります。
少人数相手に質の高いサービスをするのであれば、人数が少なく教育レベルが揃い統率が取れていることが強みになるでしょう。
薄利多売で人海戦術で売るようなスタイルであれば、人数が少ないことは弱みでしかない、ということもありえます。

また、人数が少ない、というのは「何と比較して」でしょうか?社員が5人として、それが少ないかどうかは、市場や競合他社の状況によって異なるはずです。

つまり、その企業が置かれた状況がわからなければ、本来SWOT分析ができるはずはない。

SWOT分析を行うのであれば、3Cなりドメインなり使って自社がどんな市場でどのような差別化を実現したいのかを明確にしなければなりません。
4Pを使うのであれば、STP(セグメンテーション、ターゲティング、ポジショニング)を事前に行うことが必須です。

戦う場所を決めよう

要は、まずは戦う場所を決めましょう、そうしなければ、最適な戦い方はわかりませんよね?ということです。
場所を決めるのが3Cやドメイン、STP。戦い方を決めるのがSWOTや4Pです。

戦う場所がわからない状態での議論が、一般論になってしまうのは当たり前です。

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