ダレル・ハフという学者が1954年に書いた「統計でウソをつく方法」という本がある(ブルーバックス刊)。
最終章のタイトルは「統計の嘘を見破る5つの鍵」。
現代でも通用すると思うので、下記で説明する。
- 誰がそう言っているのか?
- どういう方法でわかったのか?
- 足りないデータはないか?
- 言っていることが違ってやしないか?(問題のすり替えに注意)
- 意味があるのか?(どこかおかしくないか)
統計データの出所はどこか、このデータによってメリットを得る組織・団体はないか。
大学教授や社長、政治家などのいわゆる「権威」を利用していないか。
調査方法は適正か。
アンケート内容に特定の回答を誘導するような記述はないか。
調査対象者に偏りはないか、意図に合わないデータを排除していないか。
「統計によれば、ガンになる人が年々増加している、これは加工食品の影響だ!自然に帰れ!」という意見があったとする。
本当にそうだろうか?単に高齢化の影響で、いままではガンになる前に死亡していた人々が長生きした結果ガンにかかるようになっただけでは?
少しずれるが、「数字は達成していないが、社員はがんばった」という主張も問題のすり替えである。社員が頑張ったかどうかは、数字を達成していないこととは何の関係もないからだ。
「コンサル実績多数!」→本当に多数なら、数字を示すのでは?
「5年間で1,000件のコンサルティング」→1年で200社の指導ができるのか?ちょっとアドバイスしただけでは?セミナーの参加者もカウントしてないか?
「ここ数年の上昇傾向から、来年も上昇します!」→ここ数年上がったから、来年も上がるとは限らない。上がっている原因を説明しなければいけない。
なんとなくそれらしいけれど、実は意味のないデータや表現を使って自説を過大に主張する人に気をつけよう。
まとめ
統計をうまく操作すれば簡単に「相手をこちらの思った方向に動かす」ことができる。
統計で、調査で、アンケートで、このような結果が出ている!という主張を鵜呑みにするのではなく、今回の内容をもとにちょっとだけ立ち止まって、数字を検証してみよう。
それだけで、もっともらしい統計に騙されることはなくなるはずだ。